恋愛小説「シンギュラリティ」⑦

      2018/10/20

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恋愛小説「シンギュラリティ」①
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主人公の女性の前に突然現れる高身長の男。
ちょっといたずらっぽくて、少年らしさが残る性格。

わたしは思いついた設定をタブレットにインプットしていく。
年上の女性に振られたばかりだという男は、慰みに一回だけ誰かとドライブがしたいという。

「お、いいねえ」
わたしのシナリオを受け取った水沼が笑う。

最初は警戒する女だったが、男が連日話しかけてくるので、観念してドライブに行く。
男は女を埠頭に連れて行く。
絶景をみて素直に感動する女に、男が告げる。

本当は、自分を振った年上の女性などいない。
最初から女とドライブをしたいがために、嘘をついていた。

「それ、いい! 京子さん!」
「まだ前半の下書きよ」
盛り上がる水沼にぴしゃりと釘をさすが、全く聞いてない様子だ。
「帰ってすぐ、カフェモカ入れて」
そう言い残して、わたしは本格的にタブレットでの作品作りに取り掛かった。
身の回りの世話はすべて水沼にやらせて、3日間没頭していた。

仕上がった作品を水沼にインプットして、バグを確認するのに3日間。
なんとか形になったところで、もう6日も過ぎていることに気がついた。

「ねえ、京子さん」
7日目の朝、水沼が眠っていたわたしを起こした時にこんなことを言ってきた。
「俺、六日間頑張ったと思うんだよね」
水沼がベッド脇で頬杖をついてこちらを見る。
「…だからなに」
寝起きの回らない頭で答えると、水沼はいたずらっぽい笑みを浮かべた。

「シナリオ抜きで俺とデートしてよ」

つづく
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