漫画「ハイスペック!お嫁ちゃん」寝られない詐欺

      2018/07/12


イラストはわたしの夫・ハンサム真木(イラストレーター名はMaki)が描いています。

>>漫画をもっと読むにはこちら<<
 
今夜こそ、眠れないかもしれないと思うのだ。
「今夜わたし眠れないかも」
わたしは夫に必ず毎晩そういう。
眠れない日など2ヶ月に一度あるかないかで、ほとんど、問題なくぐっすり眠れるというのに。
「だいじょうぶじゃないかなぁ」
当たり前だが夫は半笑いでそう返す。
それでもわたしは
「いや、きょうこそ」
と念を押して、布団に入った15分後には寝息をたてる。
これがわたしの寝れない詐欺である。

なんでこんなことを言うかというと、理由ははっきりしている。
わたしは高校の時、重い不眠に悩まされたのだ。
どのくらいかというと、11時ごろ布団に入って、5時くらいまで眠れない。
翌日学校に行かなければいけないプレッシャーで押しつぶされそうで、本当にしんどかった。
朝の新聞屋さんが来る音がして、絶望で涙していた。またこんな時間まで起きてしまった。
自分以外、世界中みんなが気持ちよく眠っているような錯覚に陥る。
暑くなってしまった布団の空気を時々入れ替えながら、止まらない涙をぬぐっていた。

そんなことがあったものだから、わたしは眠れないことに対して異常なほどの恐怖心がある。
だから、今夜こそ、眠れないのではないか?と思ってしまう。

しかしいまは状況が違う。
翌朝具合が悪ければ仕事場に行く必要などないし、そもそも時間通りに行かなければいけない場所がない。
夫も厳しく怒ったりはしない。
睡眠薬も処方されている。

だから、眠れなくたってどうってことはないのだ。
けれどわたしは今夜も、眠れないかもと夫に詐欺を働くだろう。
いま現在の、安全性を確認するために。

 - ハイスペック!お嫁ちゃん